区役所の小さなミス
記事一覧へ公開日: 2016/07/28
というわけで、ぶらり弁天通(べんてんどおり)商店街のつづき。
歩きスマホにならないよう注意しつつ、正村ゲージ発祥の地を散策していきます。
弁天通り商店街は名古屋城の西、名古屋市西区にあります。
市営地下鉄「浄心駅」の1番出口から外に出てすぐ、この場所の歴史を教えてくれる案内板が建てられていました。
【西区今昔物語】
名古屋市の西区役所が建てたものです。昭和47年頃に撮影された写真とともに、この場所が「正村ゲージ発祥の地」であることの説明文が書かれているのですが…
現在は廃止されている市電、そして「正村」と書かれた建物が2軒並んでいるのが分かりますでしょうか。
建物の上部には伝統の正村マーク(オール10にちなんだ玉10個のやつ)も見えています。
区役所の説明文によると
――写真の左側には現代パチンコの元祖・正村竹一さんが昭和二十一年に開いた二軒のパチンコホールが見えます。現在のパチンコ台の原型といわれる「正村ゲージ」はここ浄心で生まれたのです。正村さんが特許をとらなかったのは有名な話です。使用権を広く開放したことが今日のパチンコ文化の隆盛につながっているといわれています。市電とパチンコホール「正村」が写るこの写真は、古き良き昭和を象徴する一枚です。
区役所が「今日のパチンコ文化の隆盛」について触れているのは、全国的にみても珍しいのではないでしょうか。
しかし、意義あり!
この2軒のパチンコ店は、正村さんが昭和21年に開いた「浄心遊技場」の建物とは違っているからです。
「正村ゲージは、ここ浄心で生まれた」という言い方は合ってると思います。しかし、なつかしい市電も含めて一枚の写真で紹介したかったのか、都合よく史実をねじ曲げた文章になってしまったんでしょうね。
役所が書いてるんだから間違いないだろうと、鵜呑みにしてはいけません。
まあ、顔を真っ赤にして訂正を迫るほどの大きなミスではないですけども。
区役所でもミスるぐらいですから、「パチンコ発祥の地」にハタを立てる作業は簡単じゃないということです。
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