すべての始まりはこの男から! 予想以上の老け込み具合、巨砲と同郷の愛媛戦士「小冊子マダオ」
記事一覧へ公開日: 2018/10/25
「で、いくらもらってるの?」
油っこいお金の話にもかかわらず目をキラキラさせながらストレートに切り込む巨砲選手のわんぱくにもほどがある取材姿勢が評価されたのでしょうか。DMM九州勢のインタビューがそこそこ好評だった模様。
「そこそこ」「まあまあ」「悪くはなかった」といった実際のところどうなのよ? って評価はこれまでのライター人生でもショパンの調べのように耳にしてきたが、オデくらいのキャリアになると、その言葉がいい意味で使われたのか、お茶を濁す意味で使われたのかが実はマッチを擦るより簡単に判別できちゃうのだ。それは同じ会社から、なるべく時間をおかずに(巨砲イメージでは長くても半年以内に)また仕事を頼まれること。
そして九州勢のインタビューをひととおり書き終えた後、担当Aから「東京の若手にも話を聞いてみませんか?」と連絡があった。おっ、これはホントにそこそこ好評だったみたい。もちろん仕事ヤリマンであるオデに否やはない。本指名を受けた風俗嬢のように足取りも軽くDMM六本木本社へと向かった。
TOKIOの一発目のターゲットは最初から決まっていた。そう、この企画の生みの親ともいうべき「こいつなんて60万ですよ!」と指をさされたあの男、小冊子マダオである。確かあのときは「(稼ぎが多いのは)めちゃくちゃアテンドやったからですよ」と言ってたけど、今はどうなんだろうと思ってるとオデと担当Aの待つ部屋のドアがノックされ、扉が開いた。
「失礼します」
そういってキャリーバックを引きずって入ってくるマダオ。胸元には10月だというのにサングラス……チッ! 売れっ子オーラがうなりをあげてやがる。若い頃の巨砲選手なら7-3で仲良くなれないタイプだなぁとぼんやり考えていると、向かいの席に座ったマダオからいつもと逆の手でオ〇ニーをしているかのような違和感が……あれっ、オデの記憶の中のマダオよりも圧倒的に老けてる。少し色黒の肌から疲れが、これでもかとにじみ出てるのだ。
マダオっていくつなの?
「35歳です」
えっ、そうなの。写真より老けてるって言われない?
「最近、よく言われるんですよ(笑)」
そうでしょうとも。確かに実物を見れば、35歳という年齢は納得なんだけど、ツイッターのドヤ顔を見るかぎり28、9のイメージだもん。上振れしても31、2だと思ってたらまさか、35歳とはねぇ。とりあえず言いたいことは反町隆史のようにあるけど、いったんポイズン。まずはプロフィールから聞いていこう。
DMMのタレントになるまでは何やってたの? 話した感じだとイントネーションは西の方だけど。
「田舎は巨砲さんと同じ愛媛です」。
わあ、同郷! でも、どうせ松山でしょ(巨砲は今治市)。
「はい、松山です」
愛媛学生時代のマダオ
クズ田中、KEN蔵、山田ギャラクシーこと山田銀河に続く、4人目の松山出身ライター。日本の未来におそらく1ミリたりとも貢献しないであろう人間をこんなに生み出して大丈夫でしょうか、ウチの県庁所在地は……。ああ、巨砲選手は幼少の頃から松山を一方的にライバル視しているのだ。あいつら、なんでも頭に坊ちゃんてつければいいと思ってるからね。坊ちゃん読んだことあんのかよ。確かにおもしろい小説だけど、旧弊の象徴として松山のことを徹底的にバカにしてるのに……マドンナだって割とビッチだからな。ああ、話がそれた。
「松山の方は今治なんてまったく気にしてませんけどね」
うん、知ってる。今治の真のライバルは新居浜だしな。で、松山で何してたの?
「地元の高校にいって、そこから専門にいって28まで美容師をやってました」
美容師のくせに髪ボサボサじゃねーか
美容師かー。そりゃ髪もアシンメトリーにするし、胸にサングラスをかけるわ。で、そっからどうして東京に?
「昔から何となく行ってみたい気持ちはあったんですよ。で、パチプーのようなことをしたり、その時は近所の店の羽根物が良かったんですよ。給料がめちゃくちゃ安い出版社で1年ちょっと働いたり、明確な目標もなくフラフラしてたらリアルスターズのことを知って応募したら合格して、現在に至るって感じですね」
東京に来てからも割とのんびりしてたんだ。焦りはなかった?
「そんなになかったですね。貯金も少しはあったんで。まあ、なんとかなるかなと思ってました。むしろ今の方が焦ってるかもしれないですね。自分の実力ではなく与えられた仕事ですけど、生活はできるだけの額をもらっちゃってるから……このままでいいのかなって」
そう、それがDMMの手口なんだよ。そうやって忠誠を誓わせるの。じゃあ、普通に稼げてるんだ。
「ええ。大晦日に『60万稼いでる』って言われましたけど、今年に入ってからも60万を切った月はひと月だけです。あっ、巨砲さんが嫌いな交通費を含むDMM方式ですけど」
取材を受けるにあたって事前に過去の記事をチェックするのも年の功。おそらくこの先、全然読んでこないヤングも出てきてオデをソフトいやな気分にさせると思う。そして、その気働きの良さが大晦日に聞かされた「アテンドをめちゃくちゃやったんで(稼ぎが多い)」につながってるような気もした。
今もアテンドやってるの?
「今はまったくやってないです」
ということは来店と動画で60万。九州がエルドラドだと思ってたけど、TOKIOにも夢があった。交通費込みって考えると東京から関東近郊だとそこまでかからないだろうから、ヘタすると九州より手取りは多いかもしれない。ギロッポン(DMM本社)に骨を埋める手もあるなぁ。
「いや、地域的には新潟の来店が多いので、やっぱり交通費は2,3割かかりますね」
な~るほどザ・ぱちタウン。家賃や住みやすさを考えるとやはり九州に天秤が傾くが、アホみたいに豪華というかアバンギャルドなDMMの本社には「おふくろ、オデ、東京で頑張ってるよ」って何ひとつ成し遂げてないのに一旗上げた気分にさせる効果がある。まさに竜虎相打つ。ラ・九州とギロッポンの戦いはオデの中でしばらく続きそうである。
それはさておき、そんな恵まれた環境だときっと東京のDMMっ子もガツガツしないのだろう。そろそろヤング巨砲時代とのギャップを感じる準備をしなきゃ。
ちょっと話は戻るけど、このままでいいのかなとは思ってるんだよね?
「いろいろ何かしたいなぁとは思ってるんですけど、これっていうのがそう簡単には出てこないじゃないですか」
出ました! DMM若手あるある。企画を考えるが、すぐにあきらめる。下手な鉄砲も数打ちゃ当る思考の若手が全然いないんだよなぁ。それこそホールで何分息止められるかでもいいんだしさ。
担当A「……」
何だよ、その顔は。オデだって言った瞬間、これはダメだってわかってるよ。あと、アテンドのススメ的な動画とかね。マダオ、アテンドうまそうじゃん。
「アテンドしたライターさんがその後も仲良くしてくれることは何度かありますね」
今度はどうよ! しかし、担当Aは違う、そうじゃないと鈴木雅之みたいな顔して右手を挙げてやがる。今のは意外と自信あったのにぃ~。
巨砲アイデアの不発はさておき、マダオってプロデュースが難しいんだよ。そもそも、年齢を知るまではあんなドヤ顔ができる子は最終的には絶対売れるって思ってたから。勝手なイメージだけどちょっと上から目線でパチスロがうまくて、アンチもファンもそれなりにつくタイプかな~って。
「そうなんですか。どちらかというとエンジョイ勢なんですけど」
またまた裏切りの街角。でも、そこは年齢に比べると大した問題じゃない。30ならキャラを受け入れてもらうまでに何かミス……たとえば動画で変な解説してアイツ、パチスロ大して詳しくないって思われても挽回する時間があるんだよ。でも、35だとそうはいかない。もう、トリノ五輪の荒川静香のようにノーミスでいかないと。
「ヤドゥさんも40までに勝負しないとってこのインタビューで言ってましたよね。自分自身も30を超えてからは1年1年が早いな、何かやらないといけないなって感じてるんですけど、自分の強みが何かってわかんないんですよね」
強みは顔でしょ。あと、あのドヤ顔がデキるメンタル。
「あれ(ドヤ顔)いいんですかね。実は写真を撮られるときに笑顔を作れないからなんですけど」
あっ、そうなんだ。でも、若手のパチスロライターってこんな感じでしょ感はすごく出てる。
「ただ、若手じゃなかったと(笑)」
しかも、チャラチャラしてそうに見えてマジメに人の意見聞くじゃん。だからテキトーなこと言いづらいんだよなぁ。あっ、そういえばツイッターで見たけどエロ(貴方野チェロス)君と仲良いんでしょ。エロくんだったら相談したら企画考えてくれるんじゃない?
「いや、いろいろ相談して、考えてもくれたんですけど、最終的には難しいなぁって……」
そうだよね。マダオを売り出すとなると正統派の売り出し方をしなきゃいけないと思うんだよ。
「エロさんも同じことを言ってました」
エロくんもオデも飛び道具タイプの扱いが得意なんだけど、マダオは残念ながら飛び道具じゃないんだよなぁ。
「そうですか」
残念ながら正統派枠。だからバンドのボーカルをやった方がいいね。パチロック(パチンコライターの音楽イベント)を見てても、正統派の人気ライターはボーカルやってるから。
「……ボーカルやってるからマダオも人気あるんだろうと逆説的に思わせるわけですね」
って思ったけどゴメン。ボーカル気質は人気ライターの条件のひとつだとは思うけど、おそらく逆も真なりとはならない。ねえ、担当A。マダオってやっぱりマジメなんでしょ? 今だって多分、違うだろうなって思いながらもちゃんと先輩の顔立てて乗ってくれたし。
担当A「基本的にはマジメですね」
「会社に対してはイエスマンです。遅刻をしたこともないですし」
だったら付け焼刃のキャラクターよりも、マジメを全面に押し出して業界ナンバー1マジメを狙った方がいいんじゃない?
「これまではテキトーなイメージで押してたんですけどいいんですかね。小冊子の名前も最初の動画で小冊子を見ながら打ったことがきっかけですし」
でも、浸透してないんでしょ。話していても残念ながら適当感は皆無。35歳の落ち着きと分別しか感じられないもの。
「じゃあ、見た目も変えた方が……」
そこは変えなくてもいい。逆に見た目がチャラい方がギャップがあってマジメさが生きてくるから。諸ゲン(諸積ゲンズブール)って知ってる?
「はい。一度深夜実戦の収録でご一緒させていただきました」
諸ゲンがまだスロガイにいた頃の話なんだけど、攻略ルームでデータ取りしてたんだよ。で、大差がついた試合のリリーフエースのようにヒマこいてた巨砲選手がおしゃべりしにいったら、ちょうど諸ゲンが初めて出場した91時間バトルが載ったガイドがおいてあってね。ざっと目を通して何の気なしに「ここはこういう風にした方がいいんじゃない」っていくつかアドバイスしたんだけど……。さて、ここで問題です。この後、諸ゲンは巨砲選手になんと言ったでしょうか?
「問題にするくらいだから、ありがとうございましたじゃないんですよね」
残念。「あっ、ちょっと待ってください」と言うやデータ取りの手を止め、カバンからノートを取り出して「すみません、もう一度お願いします」ってメモを取り出したの。
「それはスゴイっすね」
これは売れると思ったよ。実際、アッと言う間に売れちゃったし。マジメじゃなくて、今までどおりテキトーを売りにしてもいいけど、やる以上は徹底することが大事だよ。
「あっ、自分もノート出していいですか」
そう、その姿勢ね。実際、諸ゲン以降、そこまでマジメを貫いてる人いないと思うんだよ。今は諸ゲンもその面影はないし、枠としては完全に空いてる。例えばツイッターに1日1個は絶対、企画をアップするとかね。どんなにつまらなくても良いから毎日やれば、それを楽しみにしてくれる人もいると思うし、ここをこうしたらいいんじゃないってアドバイスくれる人や、もしかしたらDMMの中にやらせてみようって考える人も出てくるかもしれない。企画をいつも考えてる印象は絶対マイナスにならないからとりあえずやってみたら。
「はい、1日1企画ツイートは必ずやります」
と言って別れたのですが、果たしてマダオは1日1企画を実行するのでしょうか。マダオのツイッターにもご注目を~!
小冊子マダオ編 完
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