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名波誠

ウソのような本当の話3

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公開日: 2019/01/06

「パチスロひとり旅Classic」は1回お休みさせていただいて。

3年半ぶりに「ウソのような本当の話」をします。

 

今から27~28年前(平成3年頃)、ボクが大学3回生(3年生)だったときの出来事です。

ほとんど勉強せずヒマさえあればアルバイトをしていたのですが、とある夏の日、いわゆるド短期バイトで滋賀県の大手電気メーカーのエアコン製造工場に突撃しましてですね。

バイトの内容は「工場内でエアコンの室外機を運搬するお仕事」です。

ちなみにメーカーに直接的に雇われたのではなく、メーカーの工場内に事務所を構える「下請けの運送会社」に雇われてのアルバイトでした。

 

もしもハードな作業だったらイヤだなー。

不安を抱きつつ指定された工場に集合してみると、思ってたのとは少し違いました。

重い室外機をエンヤコラと、いちいち持ち上げて運ぶ仕事ではなかったのです。

 

 

20190106-1

現場の見取り図。真上からではなく、横から見たところ。

 

たしかに室外機は重かったのですが、手で持ち上げたりする必要はなく、スライダーの上をコロコロと転がすだけでオッケーでした。

高さ3mぐらいのA地点からは次々と、梱包された製品(室外機)が出てきます。

踊り場のB地点には名波アマ。

一番下のC地点には運送会社の社員が待ち構えていて、製品をトラックに積み込む作業をしています。

 

聞けば、製品をトラックに積み込むための機械装置(?)が故障したため、今回は特別にスライダーを経由して人力で運搬することになり、わざわざアルバイトを雇ったんだそうです。

 

ボクの任務は、いくつかの雑用のほか、B地点に立って「製品を勢いよく押すこと」でした。

B地点は勾配がない区間なので、ただ見てるだけだと、製品の移動スピードが弱まってしまうのです。

 

作業内容は簡単なものでしたが、運送会社の社員が超エラそーに指示を出してくるのは、ちょっと厄介だなーと思っていました。

雑用を命じられるたびに、「そんなこともわからんのか」「さっきも言っただろ」的な口調で、言葉をガンガンぶつけてくるのです。

しかも、おそらくボクより2歳ぐらい下の、若い社員なんですよ。

 

「(B地点の平らな区間の端から端まで)製品を勢いよく押せ」と指示され、テキパキと作業をこなす若き日の名波アマ。

 

しかし、作業開始から10分ぐらい経過したところで気づいちゃったんです。

製品を勢いよく押しても押さなくても、作業効率にほとんど差が生まれないってことに。

 

20190106-1

 

室外機製造工場の最終ライン(A地点)から出てくる製品のペースは、だいたい一定です。1分間に3台なのか4台なのか正確な数は忘れましたけど。

だから、どんなにB地点で頑張ろうと、どんなにC地点で頑張ろうと、時間あたりの作業ペース(トラックに積み込める製品の数)は変わらないんです。

 

B地点の平らな区間の端から端までテキパキと必死に往復する行為が無駄だと分かったので、ボクはA地点から降りてくる製品のペースにピッタリ合わせて淡々と動くことにしたのです。なんら、おかしな行動ではありません。

 

ところが、そんな名波アマの姿を見た運送会社の若い社員が激怒します。

 

ちゃんとせい!

抜いとんか!

1台につき5秒として、トータルでどんだけ時間が節約できる思っとんねん!

 

(´・ω・`)
どよよよ~ん

 

とても反論できるような雰囲気ではなかったので、それ以降は言われた通りに作業しましたけどね。

いま考えても、運送会社の社員の説は正しくないと思うんですよ。仮にB地点の端から端までの移動を5秒短縮したとしても、次に製品が降りてくるのを待つ時間が5秒増えるだけだから、プラマイゼロ。トータルでの作業時間の節約にはなりません。トラックに積み込める製品の数が増えることもありません。

ただただB地点に立つ人間が必要以上に疲れるだけ…。

 

 

こういうのは単なる昔話ではなく、上司や本部に対して「ちゃんと仕事してますよアピール」をするために、非生産的な、ムダな作業をやらされるケースって、今でもよくあることなんじゃないかと思うんです。

たとえば有名なところで言うと、郵便局員がノルマを達成するために年賀状を自腹で購入して、そのあと金券ショップに売りに行ったりするやつとか。

 

ウソのような本当の話。

もしかしたら今回は、ふつうに本当の話だったかもしれません。

以上です。

 

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