最悪なホール
記事一覧へ公開日: 2021/02/22
この世には、優良店、ボッタ店、人気店、過疎店…などなど、様々なホールが存在する。同じチェーン店でも店ごとに特徴が異なるなんてことも珍しくない。
では、あなたはどんなホールが好きだろうか。もちろん、設定状況が良好・クギがガバガバといった勝利しやすい店が好ましいと思うが、その他にも
店員が可愛い、巨乳が多い、ドル箱を交換するとき背中に胸を当ててくれる…といったように好みは人それぞれ異なるだろう。私は制服にこだわる人間なので、コーヒーレディの制服がクッソ可愛かったホールにはよく通ったものだ。
余談になるが、4号機時代に店員の制服がバニーガールというホールを友人に教わって期待と下腹部を膨らませて訪れたことがあったが、肝心のバニーガールの衣装がパーティー用レベルと低クオリティで萎えてしまったことがある。
バニーガールなら何でもイイというわけではない。
閑話休題。では、逆にどんなホールが嫌いか。これもまた十人十色で千差万別だろう。私は好きなホールは数あれど、嫌いなホールはあまり多くない。多少不満を感じてもスルーするのが基本だ。
だが、そんな温厚な私でも「二度と行きたくない」と思ってしまうホールは存在した。ということで、今回は私が経験した最悪なホールを紹介しよう。
今から15年前。
ある日、私はホールの新規開拓をすることにした。当時は石を投げたらホールに当たるというほどホールだらけだった時代なので、文字通り1日掛けて自分の理想とするホールを探した。
そのときに、裏路地にひっそりと佇む寂れたホールを見つけた。見るからにダメオーラ全開で、実際に入ってみたらお客は片手で数えられるほどしかいない。これは調べるまでもないなと入店早々に退店しようと思ったが、壁に1枚の紙が貼られているのに気付いた。
「前日の優秀台」
その紙にはそう書かれていて、いくつか台番が記されていた。
当時は今よりも規制も緩やかだったのでサービス合戦が盛んだった。あるホールは朝から高設定札が刺さっていたり、あるホールはミッション達成(最初にBIGを引いた人など)で高設定に打ち換えたり……などなど色々なサービスがあり、その中に1つに設定発表があった。
前日の設定状況がWebで公開されていたり、来店ポイントを使って閉店前に台を開けて直接設定を確認できたホールなんてのもあった。
だが、当時はサービス合戦が盛んだったが、同時に“ガセ”も盛んだった。ガセイベントにガセ札…などなど。それに優秀台=高設定とは限らない。ホールによっては中間設定も優秀台と発表するところもあった。
このホールの優秀台はホンモノかガセか。お客の数は少ない…というか閑古鳥が鳴きまくっていたので、ガセのほうが可能性は高いだろう。しかし、穴場という可能性も否定できない。もし、ここが穴場なら勝率アップは間違いナシだ。
私は僅かながらの可能性に賭けて、このホールに通うことにした。毎日、「前日の優秀台」をメモすることにした。
私がこのホールに通い出すと、すぐにある違和感を覚えた。そして、日に日に違和感は強まっていき、数週間過ぎたときに確信に変わった。私は気付いてしまったのだ、
どの台が優秀台になるか、その法則に。
結果、その日を境に連戦連勝して財を築いた…なんてことはなく、二度とこのホールに訪れることはなかった。
なぜならば、前日ほとんど回されていない台が「前日の優秀台」として張り出されているということに気付いてしまったからだ。そんなの言ったもの勝ちだ。要するに、限りなくガセに近いということだ。
ただ、勘違いしないでほしいのは、このガセ優秀台が最悪なホールの理由ではない。当時は既述の通りガセなんて日常茶飯事だったので、いちいち気にしていたらキリがない。では、最悪なホールの理由は何か。それは……
流石に台番をメモするだけでホールに通うのは気が引けたので、『シンドバッドアドベンチャー榎本加奈子でどうですか』をよく打っていた。すると、まさかまさかのロングフリーズ降臨。
平均獲得枚数は約5500枚で、その確率は約1/16万。当時の最強フラグだ。
私が呆気にとられていると1人の店員がそのことに気付いて、ロングフリーズを引いた私よりも大騒ぎ。「なんだなんだ」と控室からも他の店員が登場。騒ぎに気付いた店内のお客も全員集合。
店員とお客に囲まれて、「どれだけ連チャンするのか」としばらくの間じっと観察されたのだ。
マジで恥ずかしかったので、最悪なホールと言わざるを得ない。さらに連チャンは平均程度で終わったので、出玉を流すときに再び恥ずかしさが込み上げてきた。
後にも先にも、大勝ちをして恥ずかしい思いをしたのはこのホールだけだ。
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