実はギャンブル性がある
記事一覧へ公開日: 2016/05/05
突然ですが、皆さんはバードウォッチングの面白さを知っていますでしょうか。
なんとなく分かるような、分からないような。
面白さなんて考えたこともない。
あんなもの面白いわけがない。
そんな人が、ほとんどだと思います。
なんだよ、またパチと関係ねー話かよ。などと言わず、ちょっとだけ耳を傾けてほしいのです。
単行本『パチスロひとり旅GOLD』の中の…
名波誠の履歴書の「趣味・スポーツ」欄に
バードウォッチング、登山
と書いてあるのはギャグじゃなくて、本当のことです。
実はバードウォッチングというのは単純な「ほのぼの自然観察」ではありません。
いや、そう捉えるのがダメだというわけじゃないですけれども。
バードウォッチングはギャンブル性を秘めた奥の深いゲームである。今回は、そんな話がしたいのです。
野鳥は双眼鏡で観察するのが一般的。
望遠レンズを使って写真を撮る人もいます。鉄道で言えば「撮り鉄」ですかね。
野鳥の鳴き声を録音する人もいます。鉄道で言えば「音鉄」ですね。
…まあ、そんなことは、どうでもよくて。
バードウォッチングの面白さ・その1…日本国内で見ることができる野鳥の数(種類)は、ほぼ決まっている。
おおむね600種類ほど。日本国内で見ることができる野鳥の種類は、ほぼ決まっています。急に増えたり減ったりすることはありません。
ただし、簡単に見ることができる野鳥と、なかなか見ることができないレアな野鳥があって、レアなやつを目撃することに成功すると
○○ゲット!
みたいな感じで、とても嬉しい気持ちになります。
生まれて初めて見る野鳥だったり、3年ぶりに見る野鳥だったり、オスは何回も見たことがあるけどメスは初めて!だったり。
そのつど、何かしらの驚きや興奮があるわけです。
国内での目撃例がわずかしかない激レアな野鳥を写真に収めることに成功すれば、新聞に載ったりするケースもあります。
ちょっとした羽の色や模様、くちばしの形状の違いなどによって、ノーマルな種類なのかレアな種類なのか、運命が別れることもあります。
一瞬、ハジロカイツブリかと思っちゃったけど、くちばしが真っすぐだからミミカイツブリじゃねーか!
みたいな。
この場合、ハジロカイツブリよりもミミカイツブリのほうがレア度の高い野鳥なので、すこし興奮しているわけです。
もちろん、逆のパターンもあります。
レアなやつかと思ったけど、よくよく見てみたらノーマルな、ありふれた種類だったと。
ゲッターマウスで一瞬、一郎かと思っちゃったけど、よく見りゃ次郎でガッカリみたいな?
(´・ω・`)?
バードウォッチングにおいては、とてもよくあることです。
バードウォッチングの面白さ・その2…野鳥の種類によって、巣を作る場所や行動範囲、鳴き声、行動する時間(季節)がキッチリ決まっている。
バードウォッチングの基本的なルールとして、『いま見ている鳥が、なんという名前の鳥なのか、オスとメスの個体差が大きい種類の場合はオスなのかメスなのか、等をできるかぎりハッキリと識別しなければならない』というのがあります。
『キレイな色の鳥だな~、名前も性別もサッパリ分からんけど』ってのが絶対にダメだというわけじゃないですけど、それじゃ面白くありません。
パチスロでも、『この機種は、ななめに揃うのが強スイカだったっけ?弱スイカだったっけ?…まあ、テキトーでいいや』という打ち方が絶対にダメだというわけじゃないけど、面白さとかアツさはトーンダウンしますよね?
水辺にいるか木の上にいるか?
低いところを飛んでいるか高いところを飛んでいるか?
羽の色・模様は?(季節によって変化する鳥もいる)
鳴き声は?
この場所での過去の目撃例は?
いろんな要素を総合しながら、いま自分が見ている鳥の種類や性別を絞り込み、特定していきます。
パッと見てすぐに分かる鳥もいれば、なかなか絞り込めない難しい鳥もいます。
バードウォッチング歴数十年のベテランでもうっかり間違えてしまうような、難易度の高い鳥もいます。
稲刈りが終わったあとの田んぼにたたずむカラスを目撃して
『田んぼでカラスを見た』
とフィールドノートに書くバードウォッチャーはいません。
※フィールドノート=パチで言うところの収支表みたいなもの。とても大事なものです。
『ハシブトガラスを見た』と書くか、『ハシボソガラスを見た』と書くか、あるいは『ハシブトかハシボソか判別できなかった』みたいに書くのが普通です。
場所が冬の北海道であればワタリガラスである可能性も浮上しますし、冬の西日本であればミヤマガラスである可能性も捨て切れません。
カラスはカラスでも、どのカラスなのかを慎重に特定する必要があり、また、それが面白いのです。
「カラス」という名前の鳥は日本にいません。「カラス」=カラスっぽい鳥の総称です。
でも、バードウォッチングをやらない人は、いちいちカラスを区別する必要なんてありませんからね。カラスっぽい鳥をカラスと呼ぶのが間違ってるわけではありません。
バードウォッチングの面白さ・その3…渡り鳥は3種類に分けられる。
ひと口に「渡り鳥」と言いますが、3種類に分けて考えます。
(1)…冬に日本に飛んで来るパターンのやつ。ハクチョウやカモが代表的ですが、ほかにもたくさんいます。
ハクチョウやカモが子育てをするロシアのシベリア地域はエサが豊富だし夏は涼しくて快適なのですが、さすがに冬は寒すぎます。そのため、比較的暖かい日本に集団で避難してくるのです。
春になると、またシベリアに戻っていきます。
(2)…夏に日本に飛んで来るパターンのやつ。ツバメが代表的ですが、ほかにもたくさんいます。
冬は温暖な東南アジアで過ごし、夏になると比較的涼しい日本にやってきて巣を作り、子育てをします。そして冬になると、また東南アジアのほうに戻っていきます。
春から夏にかけて、パチンコ店の軒先でツバメの巣を目撃することがありますよね。
中には東南アジアのほうに戻らず日本にとどまって冬を越すツバメもいて、それは「越冬つばめ」と呼ばれます。
(3)…春と秋に日本を通過していくパターンのやつ。シギやチドリが代表的です。
夏は日本よりも北の涼しい地域で子育てをして、冬になると日本よりも南の暖かい地域に移動して寒さをやりすごします。その合間の春と秋にチラッチラッと日本に立ち寄っていきます。
渡り鳥の(1)(2)(3)ともに、目撃できる場所やタイミング(季節)は限定されています。
観察ポイントの選定や天候の見極めといったバードウォッチングの立ち回りがヘタクソだと、ほとんど目撃できずに終わってしまうこともあります。いや、マジで。
パチンコ店に「アケの日」「シメの日」があるのと同じように、渡り鳥をたくさん目撃することができる日・場所と、ほとんど目撃することができない日・場所があるということです。
バードウォッチング仲間との情報交換や、過去の経験がモノを言います。
ズバリ的中したときの、してやったり感!
(´・∀・`)
狙いが的外れだったときの敗北感。
(´・ω・`)
バードウォッチングが単なるほのぼの自然観察ではなく、ギャンブル性を持ち合わせているということが、なんとなく分かっていただけましたでしょうか。
ひょっとしたら「日本野鳥の会」の人ですら自覚していないかもしれません。ギャンブル性があるからバードウォッチングは面白いんだってことを。
※名波アマ個人の見解です。すべてのバードウォッチャーが同じ考えではありません。
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