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公開日: 2020/05/19

一番近いコンビニまでは2キロも離れているし、家の中にはゴキブリやネズミどころかヘビやイタチだって出たことがある。年頃になってファッションに興味を持ったところで、流行りのブランドはもちろん、レアなスニーカーなんてどこ探したって売ってやしない。

 
 
 
早くこの家を、この街を出たいなぁ。
 
 
 
佐賀県佐賀市の山奥でチンパンジーのエテ吉に育てられた僕は、いつの頃からかかような思いを抱くようになり、それと同時に、都会への憧れは日に日に増していきました。
 
中学卒業と同時に家を出て、単身熊本県へ。それから福岡や鹿児島など九州内を転々としつつ、26歳の頃に薄っぺらのボストンバッグを持って北へ北へと向かい、今に至ります。
 
 
 
東京は、僕が思っていた通りの街でした。
きらびやかで洗練されており、人とモノに溢れ、不自由さを感じたことはほとんどありません。
 
ただ、不自由じゃなければ自由なのかといえばそんなことはなくて、弱さを見せたら飲み込まれてしまいそうな怖さだったり、痛みを感じても忘れたふりして前に進まなきゃいけなかったり、東京のルールに染まったり逆らったり、正直、田舎モンには少々生きづらく感じることもあったりして。
 
 
 
そんな時、仕事で佐賀に帰ると、弥生時代かってほどに広がる田園地帯や、逃したら最後、一日一本しか停まらないバス停など、住んでいた時には気づかなかった、佐賀の良いところが見えてきました。
 
街なんて結局は一長一短、良いところもあれば悪いところもある、無い物ねだりなんてことはわかってるんですけどね。佐賀の場合は一長一短どころか一長十短くらいありますが……ってあれ? 佐賀をディスってんのかテメェこの野郎。
 
 
 
年齢を重ねたからなのか、それとも東京という街に疲れて故郷が優しく見えるのか。理由は定かではありませんが、ここ最近、離れてから20年近く愛着も何も感じていなかった故郷に対し、何かできることはねぇかなぁと、漠然とした思いを抱くようになりました。
 
小さい頃によく通った、数少ない古着屋があった商店街なんてさ、もうシャッターだらけで昼間でも人っ子ひとり歩いてやしないんですよ。少なくとも、あの頃の僕にとってこの商店街は「原宿」だったのになぁ。
 
 
よーし、だったらいっちょやってやるか。
地域振興ってほどじゃないけれど、佐賀の街なかが少しでも賑わうように、あの頃の賑わいを取り戻せるように、イベントでもやりますか。
 
 
そんなわけで皆さん、コロナウイルスが落ち着いたら、わたくし、佐賀でThe PPP Store(知らない人はググってね)のポップアップストアを土日限定でやろうかと目論んでおりますので、開催された暁には是非ご来場ください。
 
 
 
 

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